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トルコ大使館前事件の本質は、クルド人に対する選挙妨害


10月25日、「NHKをはじめ、テレビ各局が駐日トルコ大使館まえでのトルコ人とクルド人の衝突のニュースを流していると、クルドを知る会の仲間から11時頃、一報が入った。それで、夕方、クルドを知る会の集まれる者で蕨にあつまり、それまで情報収集し、意見交換と対策を相談することを確認。その後、ニュース動画とネットの反応を確認し、連絡と仕事、メディアの取材、他の会議を終え蕨に向かう。

蕨の集合場所には、当日、現場に朝から行っていた古参のクルド人と女性を含む4人がいた。

クルドを知る会の相談をはじめたら、クルド弁護団の弁護士から電話が入り、暴行を受けて負傷した(4人)人から聞き取りをした内容が詳しく報告された。それと、日本語が堪能なAさんを中心に当日の一部始終の聞き取りを行なった。

10月25日は、6月の選挙でAKPが過半数割れにより組閣が不調に終わり、国会(定数550)の出直し総選挙(11月1日)のための在外投票日だった。

<弁護士による最初に攻撃され負傷したクルド人からの聞き取りの報告> 
10月24日の夜より六本木あたりで遊んできた若いクルド人5人が、25日の投票に備えて、早朝よりトルコ大使館前に車を止め、3人が車のなかで就寝、2人が外でタバコを吸っていた。

その若いクルド人たちの車の前と後ろに、セダンがピッタリとくっついてクルド人の車が逃げられないように停車する。そこから数人の男たちが降りてきて、6時20分ごろよりクルド人ののど首を締め上げなから殴りつけはじめた。

彼らは、「この前は(6月の選挙)俺たちがいなかったから、あんなことになってしまったが、(AKPの半数割れ。トルコ在外大使館中、日本におけるHDP得票率59%という際立った高さだった)今回は俺たちがきたからあんなことにさせない…」と言い、投票を妨害する目的を明確に口にして、鉄パイプみたいなもの)などで襲撃、激しく暴行を働いた。

注)AKP(公正発展党=イスラム主義でトルコの政権政党)
  HDP(人民民主党=トルコの左派勢力とクルド人勢力が合同した政党で、代表はクルド人)

その報告を聞きながら、難民申請しているAさんが補足するように話に加わってくる。

<Aさんから聞いたこと>
その頃、名古屋から2台のマイクロバスが到着、約50名ほどのトルコ人が暴行に加わった。同胞が襲撃されていることに気づいたクルド人たちは救助に向かい、トルコ人の暴行を止めに入ったが、簡単には止まらなかった。その場にいたクルド人はバスのなかに鉄パイプのほか刃物などの武器がたくさん用意されていたのを目撃した。

Aさんは7時ごろに到着、トルコ人たちはトルコ国旗を掲げ、人差し指を空にかざしながら、ISのスローガン「アラー・アクバル、アラー・アクバル」と興奮しながら連呼していてスゴイ雰囲気だった。その場にいた警官3名に「このままでは大変なことになる。もっと大勢の警官をよんでください」と要請。

最初に暴行を受けたクルド人は重症、一人は意識不明、明日、手術を受ける予定。最初の襲撃のとき「警官がいなければ、殺されていた」と言っていた。

その間にも、クルド人たちは投票のために続々と到着、投票後は家族で遊びにでかけることを楽しみにしてきた子どもたちも、大勢がその状況を目撃している。母親と子どもたちは、近くのコンビニエンスストアに逃げ込む。店員がその状況をみて、入り口を閉鎖、子どもたちは怯えて泣き叫び、女性たちはショックで倒れる人が続出した。クルド人母子たちはコンビニがシャッターを閉めて内部で30分間、匿われる。

以上が朝6時台から7時過ぎの出来事。今回の事件の原因であり発端であり、ニュースで言っている「トルコの旗」だとか、「クルドの旗」だとか、そういうことが発端ではまったくない。

これは明らかに計画的な襲撃で、暴行傷害事件、選挙妨害事件だ。

たくさんの動画は11時台のもの。トルコの旗を振っているトルコ人から、「今度トルコ大使館に来たら、パスポートを取り上げろ!」などと暴言を吐かれたり、棒や石で殴られたりした人もいた。この結果、多くのクルド人が投票せずに帰宅したり、投票所へ来ることを取りやめたりした。クルド人のなかには難民申請している人も多く、仮放免中のため移動制限もあることから、入管とのトラブルを恐れた人もかなりいたのではないか。

投票は7時から21時まで。行列はトルコ人だけのものと、クルド人とクルド人を攻撃しないトルコ人の2本できた。トルコ人の行列には大使館から飲み物が提供されていた。投票するときはぞぞれの列から10人づつが入り、大使館内の右と左に別れて投票する。クルド人の列の一人当たりに与えられている投票時間は9秒間だけと非常に短い。

今回の事件は、在日トルコ人による在日クルド人に対する投票妨害活動であろう。これはトルコ国内の状況、アンカラの爆弾事件とも連動しているのではないかと思う。

…………………………………………………………………………………………………………………

21時頃、大使館内で投票に立ち会ったクルド人からAさんに入った電話によると、片側の列で投票に来たのは540人位ということだった。

弁護士の報告とAさんたちの話から、クルドを知る会としては、日本においてこのようなことが行われたことを黙認することはできない。今回の出来事に抗議し、被害を受けたクルド人の診断書をとり、被害届提出と告訴を支援することを決め、一連の報道に対して事実をきちんと伝えるための記者会見が必要で、その設定を追求することを決めました。

記者会見
10月28日13時、クルド文化協会の事務所において、弁護士とクルド文化協会、クルドを知る会による記者会見を行なうことにしました。(10月26日現在)

(長内経男)

追記: 現在、蕨・川口中心にクルド人が増えているように思われます。特に女性と子どもが目につき、それ以前は200人から500人位の間の増減が繰り返されていたのに、3・11以降、建設現場等での人手不足を補うかのようにクルド人が増加し、一説には2000人にものぼるのではないかとも言われています。

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