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住民訴訟-帆足和之市議の政務活動費不正使用事件の訴状


帆足和之さいたま市議の郵便切手の年度末大量購入という不適切な政務活動費の使用について、8月26日、さいたま市長は返還請求するよう住民監査請求を提出したところ、結果は、10月22日付けで請求の棄却がなされました。

それを不服とした私たちは(川村と長内の2名)、11月20日、さいたま地裁に提訴(住民訴訟)いたしました。仲間の応援をいただきながら、弁護士に依頼せずに本人訴訟の形で闘っていきます。

以下は、その訴状です。

なお、支援してくださる方は、当ブログのプロフィールの宛先にお願いします。

                  住民訴訟 訴状
平成26年11月20日
さいたま地方裁判所民事部  御中

(送達場所) 原告 略
        被告 さいたま市長 清水勇人

損害賠償請求住民訴訟事件
訴訟物の価格 金160万円

請求の趣旨
1 被告は、帆足和之に対し、49万4511円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。

請求の原因
第1 当事者など
1 原告は、さいたま市民である。
2 被告は、さいたま市長である。
3 原告が被告に対し、不当利益の返還を求める相手方帆足和之は、さいたま市議会議員である。

第2 政務活動費ならびに政務調査費の交付と使用
1 相手方帆足和之は、平成23年度に198万円の政務調査費の交付を受け、その全額を使用した。<甲1
2 相手方帆足和之は、平成24年度に216万円の政務調査費の交付を受け、その全額を使用した。<甲2
3 相手方帆足和之は、平成25年度に240万円の政務活動費の交付を受け、その全額を使用した。<甲3

第3 相手方の政務活動費ならびに政務調査費の違法な使用について
1 平成26年3月31日の切手購入について。
(1)
相手方帆足和之は、平成26年3月31日付で、「広報広聴活動費」を使用目的として82円切手を2500枚購入し、政務活動費20万5000円を支出した(以下、本件切手購入という)。<甲4
しかし、消費税率の改訂に伴う郵便料金(定型25グラム以内)の80円から82円への引き上げは、平成26年4月1日から施行されたものであり、したがって相手方帆足和之が購入した82円切手2500枚は、平成25年度の政務活動には使用されなかったものである。
(2) 相手方帆足和之は、浦和区選出のさいたま市議会議員であるが、相手方帆足和之から同区内に居住する有権者のもとに平成26年4月に郵送された広報誌(市政レポート)は、切手を使用しておらず、郵便区内特別の料金別納郵便として発送されている。<甲5
当該制度を利用すれば、浦和区内の有権者に100通以上で1通あたり67円、1000通以上では同51円(いずれも平成26年4月1日以降の料金)と、切手使用に比べて安価に郵送することができ、本件切手購入は有権者に対する「広報広聴活動」には使用されなかったことが明らかである。
(3) 相手方帆足和之は、平成23年度に15万7000円分、平成24年度に16万8790円分の切手を、「広報広聴活動費」として購入し、按分によりそれぞれ13万7600円と15万1911円の政務調査費を使用したが、これらも同様に有権者に対する「広報広聴活動」には使用されなかったことが明らかである。

第4 住民監査請求とその結果に対する不服
 原告らは平成26年8月26日、さいたま市監査委員に対し、地方自治法第242条1項の規定に基づく住民監査請求を行い、さいたま市職員措置請求書を提出し、監査委員に対して、被告が相手方帆足和之に対して、平成23年度および平成24年度の政務調査費と、平成25年度の政務活動費を使用して購入した切手代計53万0790円(平成23年度と24年度は按分を考慮に入れず)を返還するよう要求することを勧告することを求めた。<甲6
 しかし、さいたま市監査委員は同年10月22日、住民監査請求に係る監査の結果について(通知)(以下、本件通知という)において、原告らの住民監査請求を棄却した。<甲7
 原告らは住民監査請求の棄却に不満であるが、その理由は以下の通りである。
(1) 本件切手購入について。
 監査委員は、さいたま市議会の「政務活動費の使途運用指針」の「4 共通事項」の「(4)年度をまたぐ支払いについて」で、「さいたま市では、現金主義を採用しているため、請求月ではなく実際の支払いをした時点で支出の処理をします。」との考えが明示されていることを根拠に、相手方帆足和之が3月31日に82円切手を購入したことを、市が適正であるとして認めたことは、「使途運用指針」での考え方に則って審査した結果であるとしている。
 しかし、「使途運用指針」が具体的に明示しているのは、「たとえば、口座振替などで支払われる電気料金・電話料金などについては料金明細や請求書の日付ではなく、支払い月(口座引き落とし月)で処理をします。」であり、3月までに使用され請求書が届いた公共料金等について、口座引き落としの手続き上で翌年度となる4月以降に支払いが行われた場合である。<甲8
 相手方帆足和之による切手購入は、3月31日に政務活動費の残余額で購入し得る限りの82円切手を大量購入し、実際に切手を使用したというのは翌年度であるから、「使途運用指針」とは全く例示が異なるケースである。
 監査委員は、名古屋高等裁判所平成18年2月15日判決を根拠に「普通地方公共団体の採用する“会計年度独立の原則”が、会派のような任意の団体に適用されるものではないことが明確に判示されている。」としているが、同判決が支持した名古屋地裁の平成17年5月30日判決は、前述した「使途運用指針」に記載の通り、平成15年3月に行った政務調査活動の費用の一部が、翌月になって請求を受けたというケースであり、「前月に費用が発生し、翌月請求されたり支払われたような場合に翌月分の政務調査費用を充てることまで禁止する趣旨と解することはできず」というものである。
 「広報広聴活動費」を使用して広報誌の発送を行う場合、「政務活動費の使途運用指針」の「5 使途に関する指針」の「(3)広報広聴活動費」において、「⑧広報紙の発行、発送料等の領収書には、但し書欄に発行物もしくは発送したものの名称と作成部数を記入してもらう。」と規定されている。しかし相手方帆足和之が提出した平成26年3月31付の切手購入の領収書には、但し書として広報誌(市政レポート)の名称が記載されておらず、本件切手購入は、「政務活動費の使途運用指針」5の(3)の⑧に違反する支出である。<甲4
 政務調査費を使用した切手購入については、「政務活動費の使途運用指針」の「5 使途に関する指針」の「(8)事務費」において、「④ 切手やはがき等をまとめて購入する場合には、購入の目的や用途を「領収書等貼付用紙」(参考様式1号)に記載する。なお、切手等の購入枚数は、必要最低限とする。」との規定がある。
 さらに(参考)として、「切手等には換金性があり、大量に購入し保有する行為が資金を留保しているとの見方をされる恐れがある。また、政務活動費の支出における「実費弁償の原則」の観点からも、このような行為は不適切であると考えられる。」と記載されており、相手方帆足和之の年度を跨いだ切手の大量保有は、「政務活動費の使途運用指針」5の(8)の④に違反する。
(2) 広報誌発送における切手の使用について
 監査委員は、関係職員が陳述した議長の調査権に基づき相手方帆足和之に対して行った調査で、相手方帆足和之の市政レポートの印刷代金39万9000円に関連する納品書に5000部と記載されていることや、「イ 広報紙は、区内、区外、市外に郵送しており、相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」「ウ 購入した切手(2、500枚)は、すべて広報紙の郵送用に添付して使用した。」と陳述したことをもとに、相手方帆足和之が本件切手購入にあたり広報広聴費を名目としたのは虚偽であり、購入した郵便切手をすべて不正に使用したという原告他の主張は断定するに足る根拠がないとしている。
 しかし、料金別納郵便とは、本件通知11頁5~8行で述べられているように、同一料金の郵便物が10通以上であれば宛先にかかわらず利用可能であり、「相手先によって、郵送できないもの」ではない。
 一方で、実際に相手方帆足和之から浦和区内の有権者宅に届いた「郵便区内特別の料金別納郵便」では、当該制度を利用できる宛先は、相手方帆足和之の選挙区である浦和区と、同一の郵便区(同一の集配郵便局)であるさいたま新都心局が扱う大宮区、中央区、桜区に限定される。
 相手方帆足和之が主張するように、「広報紙は、区内、区外、市外に郵送しており、相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」のならば、本件切手購入によって郵送した相手方は、浦和区と大宮区、中央区、桜区を除くさいたま市内の6つの区とさいたま市外ということになるが、印刷した広報紙5000部のうち半数に相当する2500部(予備や駅頭配布分を考慮すれば半数超)を、相手方帆足和之の有権者ではない浦和区以外の地域に発送したという主張は、さいたま市議会議員の広報広聴活動という点からすれば、信憑性を欠いたものである。
 監査委員は、相手方帆足和之が2012年4月27日付けで、郵便切手計763枚(6万8790円分)と、郵便区内特別の料金別納郵便@75 1658通12万4350円及び料金別納郵便@90 716通6万4440円の領収証書を提出していることを根拠に、相手方帆足和之の「相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」という説明を、一定の信憑性があるものとしている。
 しかし、相手方帆足和之が、宛先が同一郵便区内である郵便区内特別の料金別納郵便(@75)と、それ以外の料金別納郵便(@90)を併用している事実は、むしろ「相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」という説明が虚偽であることを証明しているに他ならず、購入した763枚の切手が、広報紙の郵送に使用されたことの証明にもならない。
 相手方帆足和之は、本件切手購入を「広報広聴活動費」の名目で行っているが、「政務活動費の使途運用指針」の「5 使途に関する指針」の「(3)広報広聴活動費」では、その内容を「議会活動、市政に関する政策、調査研究、要請陳情活動等を市民に周知する広報活動並びに市民からの要望、意見等を聴取するための広聴活動に要する経費」と定めている。
 また、さいたま市議会政務活動費の交付に関する条例第10条の別表では、広報広聴活動費の内容を、「議会活動、市政に関する政策、会派及び議員が行う調査研究、要請陳情活動等を市民に周知する広報活動並びに市民からの要望、意見等を聴取するための広聴活動(以下これらを「広報広聴活動」という。)に要する広報紙、報告書等の印刷費、ホームページ作成費、郵送料、会場費等の経費(当該経費に交通費が含まれるときは、当該交通費のうち燃料費を除く。)」と規定している。<甲9
 相手方帆足和之の「広報紙は、区内、区外、市外に郵送しており、相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」という主張に基づけば、本件切手購入による郵送分2500通の多くは、さいたま市外へ発送されたことになるが、さいたま市外への郵送料は、「市民に周知する広報活動並びに市民からの要望、意見等を聴取するための広聴活動」に該当せず、相手方帆足和之が市外への広報紙の郵送に、政務活動費の広報広聴活動費を使用したことは、さいたま市議会政務活動費の交付に関する条例第10条並びに政務活動費の使途運用指針の5の(3)に反する違法な支出である。
(3) 平成23年度分及び平成24年度分の切手購入について
 監査委員は、平成23年度分及び平成24年度分について、「この事実を知ったのは平成26年8月18日であり、事実を知ることができたのが近日」であるという原告の主張は、自治法第242条第2項ただし書にいう「正当な理由」として認めることはできないとして、監査対象としなかった。
 しかし、兵庫県において野々村竜太郎氏をはじめ複数の県会議員による政務活動費を使用しての切手の大量購入が相次いで新聞等で報道され、全国的な社会問題と化したのは平成26年7月であった。原告らは、これらの報道を通じて、議員が政務活動費を使用して大量に購入した切手を、金券ショップ等に持ち込み換金することが可能だという事実を初めて知り、さいたま市議会でも疑わしい切手購入を行った議員がいるかどうか確かめようと思うに至り、平成26年8月18日に政務活動費に関する領収書等の閲覧を行ったものである。
 したがって、原告らは兵庫県議会での一連の切手購入事件についての報道を契機に相手方帆足和之による平成23年度分及び平成24年度分の切手大量購入の実態を知ったのであり、監査対象とすべきであった。
 相手方帆足和之が、政務調査費を使用して平成23年度と平成24年度に購入した切手についても、すべて(1)の③で述べた「政務活動費の使途運用指針」5の(3)の⑧に違反する支出であり、また(1)の④で述べた「政務活動費の使途運用指針」5の(8)の④に違反する支出であるとともに、(2)の④で述べた、さいたま市議会政務活動費の交付に関する条例第10条並びに政務活動費の使途運用指針の5の(3)に反する違法な支出である。
③ 相手方帆足和之は、平成23年度に広報広聴活動費として15万7000円分の切手を購入し、按分によりそれぞれ13万7600円の政務調査費を使用したが、以下の各点について問題がある。
 相手方帆足和之は「相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」と説明しているが、平成23年10月分として、同年8月12日ないし13日に郵便区内特別の料金別納郵便1447通と、料金別納郵便計322通を発送し、相手先にかかわらず料金別納郵便を利用しているが<甲10><甲11>、同年8月14日に一般商店で8000円分の切手購入(按分80%により支出は6400円)を行っていること。<甲12>
 同年8月12日に、「国土緑化・国際森林年」「ふるさと祭 第7集」というコレクター向けのシリーズ切手を、それぞれ50円×1シート(10枚)ずつ購入し、按分80%により計800円を支出しているが、50円切手は広報紙の発送には使用できないこと。<甲13><甲14><甲15
 平成24年1月分として、同年1月25日に個人と思われる者から80円切手250枚を購入し、計2万円を支出しているが、1月分の広報紙を印刷したという領収書はなく、印刷代が計上されていないこと。<甲16
 平成24年3月分として、同年3月30日に「日本国際切手展2011」の特殊切手を1シート=80円切手10枚×100シート購入し、按分90%により7万2000円を支出しているが、同切手はコレクター向けの記念切手であり、ボランティアに広報紙を発送させるためにはおおよそ煩雑な作業を要する形状のものであること。<甲17><甲18
 同日に80円の普通切手600枚も購入して按分80%により3万8400円を支出しており、前述したエの購入分と合わせると、平成23年度の年度末日(3月31日は土曜)に、80円切手を1600枚も大量購入していること。<甲19
 相手方帆足和之は、平成24年度に広報広聴活動費として16万8790円分の切手購入し、按分により15万1911円の政務調査費を使用したが、以下の各点について問題がある。
 相手方帆足和之は「相手先によって、料金別納郵便で郵送できないものについては、切手で郵送している。」と説明しているが、平成25年2月分として、平成24年4月27日に郵便区内特別の料金別納郵便1658通と、料金別納郵便計716通を発送し、相手先にかかわらず料金別納郵便を利用しているにも関わらず、同日に6万8790円分の切手購入を行い、按分90%により6万1911円の支出を行っていること。
 前述アで発送した広報紙は31グラムであり、料金別納郵便の領収証書では1通の送料は90円(郵便区内特別は75円)であるにも関わらず、同時に購入した切手には、当該広報紙の発送に使用できる90円切手は1枚しか存在せず、他は当該広報紙の発送に使用できない80円切手850枚と。500円切手と200円切手各1枚であること。<甲20
 80円切手のうち、10シート(100枚)はディズニー・キャラクター、750枚は「ケロロ軍曹」のアニメシリーズ切手であり、いずれもコレクター向けの切手で、ボランティアに広報紙を発送させるためにはおおよそ煩雑な作業を要する形状のものであり、特に前者については円形の切手をくり抜くなど、発送作業に甚だ困難を伴うものであること。<甲21><甲22
      ケロロ軍曹の切手シート
                  ケロロ軍曹の切手シート
 平成25年3月分として、同月27日に80円切手4種類(実質的には3種類)1250枚を購入し、按分90%により9万円の支出を行っているが、これらの切手はすべてコレクター向けのディズニー等のグリーティング切手であり、使用する際には、10枚組もしくは5枚組のシートから円形や桜の花びら形の切手をくり抜く必要があるなど、ボランティアに広報紙を発送させるためには、その作業に甚だ困難を伴う形状であること。<甲23><甲24><甲25><甲26

第5 原告の主張
 相手方帆足和之は、自らが経営する帆足和之税理士事務所のfacebookにおいて、平成26年4月4日付で、大量の82円切手の写真を投稿しており、本件切手購入で政務活動費により入手した82円切手の一部あるいは全部が、流用されたのではないかとの懸念を持たざるを得ない。<甲27
 原告らの住民監査請求の提出を受けて、さいたま市議会では平成26年10月15日、政務活動費の使い道の適正化と透明性を確保するためとして、平成27年4月より「政務活動費の使途運用指針」を改訂し厳格化することが、各会派の代表者会議ですべての会派が了承して決定された。特に郵便では、切手の利用を原則禁止し、料金別納郵便を利用することとする改訂は、平成26年10月使用分から適用することを決めた。<甲23
つまり、さいたま市議会総体としても、相手方帆足和之による本件切手購入は不適正であるとの認識で一致したと言える。

第6 結論
 よって、原告らは住民監査請求の結果に不満であるので、被告が相手方帆足和之に支払いを求めるべき金員を、53万0790円から按分により実際に政務調査費及び政務活動費が使用された49万4511円に訂正したうえで、さいたま市の執行機関である被告に対し、地方自治法第242条の2第1項4号の規定により、相手方帆足和之に請求の趣旨記載の金員の支払を請求するよう求めるものである。
以上

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