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「政府が広域処理を進めたい本当の理由」

4月7日のツィッターをまとめました。
「放射能ごみ・まとめ @tsunamiwaste」さんという方が直ぐにタイトルを付けてtogetter.com/li/284565にまとめて拡散してくださいましたので、その表題をそのまま使いました。

1 さいたま市も震災瓦礫を受け入れに転換。4月6日の各紙県内版では前日の清水勇人市長の定例記者会見での態度変更表明を受けて一斉に報道。3月30日政府の都道府県と政令市への受け入れ要請に応じての転換と見られる。4月5日清水市長の記者会見動画http://bit.ly/IfJWxI

2 この動画中、注目は「以前の説明と矛盾」の指摘と態度変更の理由の記者質問。市長は矛盾を否定し、被災地の復興は国民的な課題だから、瓦礫焼却後の「最終処分地」の見通しがこれまで立たなかったが、改めて「最終処分の方法の可能性を模索している」と説明している部分だ。

3 現在さいたま市のごみ焼却後の最終処分は50数%が県外埋め立てに依存、震災瓦礫を受け入れ焼却したら最終処分地が見つからないのでこれまで受け入れできなかった。しかし「最終処分の方法…どういうやり方だったらできるか可能性が見えた」の発言が何を考えているのかを示すヒントです。

4 清水市長の発言から、以前に問題としていたのは「最終処分地」、「ここに来て新たな可能性」としているのは「最終処分の方法」です。その内容について、記者の「…民間業者…」の質問にそこまで語りながら「現時点では控えさせていただく」との市長発言も結論を白状したようなものでした。

5 ここで思い起こして欲しいのは3月25日のこと。埼玉県が強行した太平洋セメント(熊谷・日高)と三菱マテリアル(横瀬)の工場での瓦礫焼却の実証試験です。そう「ここに来て新たな可能性」とは、自治体と住民の承認が必要な埋立て処分場ではなく県内のセメント工場に持ち込むことです。

6 実証試験は、埼玉県とセメント工場がタイアップし、①瓦礫焼却 ②補助金付の燃料 ③セメントの原料への「リサイクル」という「一石三鳥」を狙ったプランです。清水さいたま市長が思い描く「最終処分の方法」とは、焼却灰を③番目のセメントの原料への「リサイクル」と思われます。

7 埼玉県の上田清司知事が昨年12月8日突然瓦礫受け入れの表明。それ以後、今3月県議会で全議員一致の瓦礫受け入れ決議、新座・川越両市議会での受け入れ決議、さいたま市議会での条件付受け入れ決議(1人を除く)など、いずれも被災地支援の名目と瓦礫の「安全」を謳っています。

8 震災瓦礫の広域処理は、①被災地の復興支援に役立ちたいという国民感情、②放射性廃棄物処理の新基準、③高額な瓦礫処理費用の全額政府負担の3点が保証しています。言い換えれば③の金への執着を①の美しい嘘と②のインチキが支えている構造については、事実を対置すれば崩せるはずです。

9 それに役立つのが3月26日衆議院第一会館で行われた政府交渉ネットと環境省の交渉http://bit.ly/H77l9lです。環境省が原発事故由来の放射能汚染した震災瓦礫等の扱いを定めた放射性物質汚染対処特措法を「放射能の知見がない」のに作ったという事実が明らかにされました。

10 どういうことかというと、従来、放射性廃棄物の取り扱いについて、原子炉等規制法では100ベクレル/㎏以内となっていた再利用・埋立ての基準が、放射性物質汚染対処特措法(本年1月1日施行)では、規制官庁でありながら基準を80倍に緩和・拡大し8000ベクレル/㎏にしたというのです。

11 自ら環境省は「知見がない」と自認しているのに、なぜ新基準の設定が可能なのかの問いに「専門家の諮問に従った」と言い、放射性廃棄物の取り扱いに2つの法律がある状態=ダブルスタンダードの指摘には、100ベクレル/㎏は再利用基準で8000ベクレル/㎏は埋立て基準と説明するのみ。

12 さらに驚くべきことに、現地処理を基本とした災害廃棄物の処理指針により、昨年8月までに福島第一原発20㎞県内を除き、震災瓦礫は一時置場に100%集積を終え、生活や復興活動に支障がないこと、25箇所にのぼる現地に仮設処理施設がほぼ完成し本格稼動体制に入れると言いました。

13 環境省の瓦礫問題の責任者が明らかにしたことは、被災地の復興支援の必要性と震災瓦礫の広域処理は全く関係がないということなのです。この事実に会場中がビックリ。それなら細野環境大臣が全国各地に「復興支援のため」と要請しているのはいったい何なのだの問いには答えませんでした。

14 震災瓦礫の全量2300万㌧の内、福島の200万㌧を除いた20%を広域処理する計画の必要性について、環境省は遂に説得的な説明をできませんでした。翌日の東京新聞には環境省に放射能の「知見がない」点は報じましたが、広域処理と復興支援が関係ないとことについては書いていません。

15 では、被災地の復興支援と関係ないのに、なぜ、瓦礫の広域処理計画を強行に推進しようとするのでしょうか。ある人々は政官業の「瓦礫利権」ではないかと言います。確かにその点は否定できない現実があることは承知しています。しかし、それだけではどうも納得がいきません。

16 ここからは私の推理です。政府=環境省の計画通り瓦礫の広域処理が進めば、放射性廃棄物に対して放射性物質汚染対処特措法の新基準8000ベクレル/㎏が全国的に広がり、長年にわたる従来の原子炉等規制法の100ベクレル/㎏という放射能汚染防止の秩序が完全に破壊されていきます。


17 福島第一原発の事故により日本中に放射能が撒き散らされました。従来の原子炉等規制法を厳格に適用すれば、原発の再稼動どころか、日本列島の広範囲にわたり産業全体と日常生活の大部分で支障をきたすこととなり(安全の再点検は絶対に必要)、その補償は東電と政府に向かうことは確実です。

18 それの回避するため、直接、原子炉等規制法の基準緩和を図りたかったのかもしれませんが、恐らく日本が原子力を利用できる国際条件の変更に抵触するのでしょう。だから、次善の策として被災地の復興支援を口実に震災瓦礫の広域処理をどうしても推進する必要があるのではないでしょうか。

19 被災地の復興支援に名を借りた悪辣な放射能撒き散らしを許さず、同時に東電―民主党政府―原子力村の責任をしっかりととらせるため、地域から瓦礫受け入れに反対し、放射性物質汚染対処特措法の新基準8000ベクレル/㎏の撤回―原子炉等規制法の厳守をさせなくてはならないと思います。

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