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卒論:所沢ダイオキシン問題

先週、卒論発表があった。私は、10年前の所沢ダイオキシン問題について書いたのだが、正直、書き始めたときは論文になるのか心配だった。というのも、その問題を「報道被害」(ニュースステーションの報道による所沢産ホウレンソウの取引停止)の側面から書いているうちに、「どうも違うんじゃないか」という思いが強くなって、論文を書き進めることができなくなったからだ。

しかしその疑問は、昨年の12月に関係者への取材をしたことによってようやく解決した。あの事件は確かに「報道被害」の要素もあったが、問題の本質は「産廃」なのだと。そして、それを何年も放置していた「行政の怠慢」なのだということがだんだんと明らかになり、所沢ダイオキシン問題の背景を知ることになった。私はそこから書き直しをせまられることになったのだが。。。

マスメディアは当時、この産廃問題をよく取り上げていた。しかし、ニュースステーションによる所沢ダイオキシン報道があって、所沢産ホウレンソウが暴落し、それに対する行政の「安全宣言」が出されてからは、小渕首相(当時)のホウレンソウ試食PRやテレ朝に対する住民訴訟を熱心に報道した。いつしか産廃問題への追及は影を潜め、所沢の現状を取り上げるマスメディアはいなくなった。そして、産廃の煙に苦しむ住民は取り残されたのだった。

私はこの事件を意識していなかった大学1年生の頃、「産廃銀座」と呼ばれたくぬぎ山の整備に、ボランティアで参加したことがあった。その時はもう、産廃とは無縁のようにきれいな雑木林が立ち並んでいた。案内してくれた人に話を聞いたところ、周辺の住民が公害調停(行政を挟んで被害者が業者と話し合う制度)によって、産廃焼却を止めさせたということだった。私は、その裏づけを取るために、住民運動に関する本やミニコミ紙の情報を収集した。

そんな経緯もあって、結局のところ、私の卒論は「報道被害」ではなく、「住民運動」を力説するものになってしまった。それは住民の知恵と勇気に感動したからであるが、そこを買って一つよい成績にして欲しいと心の隅っこで思う。

『東京平和映画祭』の報告

7月7日の七夕、みなさんは何をお願いしましたか?
この日私は、代々木の青少年オリンピックセンターで開かれた『東京平和映画祭』にスタッフとして参加してきました。このイベントは今年で4回目。2001年の911事件をきっかけに、反戦平和の願いを多くの人と共有したいという思いから生まれた映画祭です。

午前10時から午後9時までの十一時間、スタッフが総力を挙げて選び抜いた作品を流します。今年は以下の8本を選考・上映しました。

『食の未来』 ◆ 10:05~11:42
~遺伝子組み換えで広がる緑の砂漠~
(デボラ・クーンズ・ガルシア 監督作品 2004年/90分)
http://syoku-no-mirai.net/index.html

『Salud! (サルー)・ハバナ』 ◆ 11:57~12:37
(井坂泰成 監督作品 2006年/33分)
http://www.isacci.com/

『戦争をしない国 日本』 ◆ 13:30~15:07
(片桐直樹 監督作品 2006年/90分)
http://www.filmkenpo.net/index.html

『軍需工場は、今』 ◆ 15:22~16:10
(制作:日本電波ニュース社 2005年/41分)
http://www.ndn-news.co.jp/shop/05.4.5-1.htm

『911スペシャル』 ◆ 16:10~17:10
(きくちゆみによる解説と映像 60分)
http://www.wa3w.com/911/

『エンド・オブ・サバービア』 ◆ 17:25~19:15
(グレゴリー・グリーン監督 2004年/80分)
http://www.endofsuburbia.com/
※田中優氏による解説があります!

『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~ ◆ 19:30~20:57
『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~
★ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん来日決定!
(岸本喜久男 監督<日本語版> 2003年/80分)
http://www.afutures.net/


私は休憩の合間に、『Salud! (サルー)・ハバナ』と『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~、『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~を見ることができました。簡単に感想を書きます。

『Salud! (サルー)・ハバナ』はキューバの都市農業について、日本の若者2人が取材に行った様子がメインになっています。ソ連崩壊でエネルギー支援が断ち切られた絶望的な状態から、ミミズを使った都市農業と、エネルギーに頼らない社会の構築を目指した国を挙げての取り組みによって、見事に立ち直ったキューバの様子が描かれていました。

これを見たら、日本の農業がいかに石油に頼っているかが分かります。そうした石油などの天然資源もなくなりつつあることを考えると、そろそろ日本でも自給自足の生活を推進した方がいいような気がします。それこそ環境保全にもつながりますし、野菜を運ぶ余計なエネルギーも必要ありません。持続可能な社会の実現をキューバから学ぶことができました。


『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~と『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~では、インドのラダックとよばれる地域が急速なグローバリゼーションによって、それまでの伝統的な営みや独自の文化を捨て、そこに住む人々のつながりやアイデンティティが失われつつあるということを紹介していました。

これは世界全体で起こっている問題で、グローバリゼーションの進展によってそれぞれの民族固有の伝統や文化が失われ、ひいては人と人とのつながりや助け合いの精神をも失われていきます。ラダックは急激にこうした均一化の波にさらされたためにその因果関係がはっきりしています。日本はすでに経験していますが、それが長い時間をかけて浸透してきたものだけに因果関係を見出すのが難しいのです。文化にはどれが劣っていてどれが優れているなんて基準はありません。文化の多様性こそ地球を潤すのです。成長を目指すことで失われてきた古きよきものをもう一度見直す機会になりました。

私の七夕の願いは、「世界中の市民が平和を築きますように」です。平和は口で言うだけでなく、行動に起こしてこそ手に入るものだと思います。この願いに沿って、私も自分ができる平和の作り方を模索していきたいです。

『東京平和映画祭』:http://www.peacefilm.net/
来年も開催します。ぜひお越しください(^^)ノ

(きょん)

年金問題×責任逃れ=信頼喪失

なにやら気になる「年金記録」問題。私は学生なので免除されているのですが、こんな怠慢がまかり通っている国の機関に、これから年金を納めることになると思うととっても不安です。っていうか、私の代ではすでに年金制度は崩壊してると思いますが。。。しかも、歴代厚生労働大臣も含めて、主要な政治家の面々が揃いもそろって責任のたらい回しをしている国会中継なんか見てると、「ほんとにどうなってんだこの国は?!」と怒りさえ湧いてきます。

聞けば、事の起こりは1997年(10年前)、社会保険庁が公的年金の全加入者に「基礎年金番号」を割り当て、記録の統合を行ったときにあるといいます。それまでは国民年金や厚生年金など、年金の種類ごとに違う番号で管理されていて、転職や結婚のたびに違う年金に入りなおしては別の年金番号をつけていたそうです。そのため、当時の年金番号はおよそ3億件もあったと言われています。

なるほど、この統合を進める過程で年金の記録漏れが起こったのか。。。と思いきや、その約3億件の年金記録の中には、氏名や生年月日が一致しないといった不備が何件もあったのに、なんと、国はそれを知りながら、何の対策もせずに放置していたらしいのです。そうしたことが今回の問題をより深刻なものにしてしまった原因の一つと考えられます。

なんともお役所体質だと呆れますが、ことは国民の年金(!)。国民が黙っているはずがありません(タブン)。7月に控えた参議院選挙、ここで今の政治(とりわけ年金問題)に対する国民の審判が問われていると思います。1人の一票は剣よりも強いのです。

腐敗政治には国民の鉄槌を!

(きょん)

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市民じゃ~なる編集部

Author:市民じゃ~なる編集部
「平和・人権・自治と共生をめざす草の根ジャーナリズム」。地域の草の根として発信するミニコミメディアの編集部のblogです。
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