2007/07/13
7月7日の七夕、みなさんは何をお願いしましたか?
この日私は、代々木の青少年オリンピックセンターで開かれた『東京平和映画祭』にスタッフとして参加してきました。このイベントは今年で4回目。2001年の911事件をきっかけに、反戦平和の願いを多くの人と共有したいという思いから生まれた映画祭です。
午前10時から午後9時までの十一時間、スタッフが総力を挙げて選び抜いた作品を流します。今年は以下の8本を選考・上映しました。
『食の未来』 ◆ 10:05~11:42
~遺伝子組み換えで広がる緑の砂漠~
(デボラ・クーンズ・ガルシア 監督作品 2004年/90分)
http://syoku-no-mirai.net/index.html
『Salud! (サルー)・ハバナ』 ◆ 11:57~12:37
(井坂泰成 監督作品 2006年/33分)
http://www.isacci.com/
『戦争をしない国 日本』 ◆ 13:30~15:07
(片桐直樹 監督作品 2006年/90分)
http://www.filmkenpo.net/index.html
『軍需工場は、今』 ◆ 15:22~16:10
(制作:日本電波ニュース社 2005年/41分)
http://www.ndn-news.co.jp/shop/05.4.5-1.htm
『911スペシャル』 ◆ 16:10~17:10
(きくちゆみによる解説と映像 60分)
http://www.wa3w.com/911/
『エンド・オブ・サバービア』 ◆ 17:25~19:15
(グレゴリー・グリーン監督 2004年/80分)
http://www.endofsuburbia.com/
※田中優氏による解説があります!
『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~ ◆ 19:30~20:57
『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~
★ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん来日決定!
(岸本喜久男 監督<日本語版> 2003年/80分)
http://www.afutures.net/
私は休憩の合間に、『Salud! (サルー)・ハバナ』と『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~、『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~を見ることができました。簡単に感想を書きます。
『Salud! (サルー)・ハバナ』はキューバの都市農業について、日本の若者2人が取材に行った様子がメインになっています。ソ連崩壊でエネルギー支援が断ち切られた絶望的な状態から、ミミズを使った都市農業と、エネルギーに頼らない社会の構築を目指した国を挙げての取り組みによって、見事に立ち直ったキューバの様子が描かれていました。
これを見たら、日本の農業がいかに石油に頼っているかが分かります。そうした石油などの天然資源もなくなりつつあることを考えると、そろそろ日本でも自給自足の生活を推進した方がいいような気がします。それこそ環境保全にもつながりますし、野菜を運ぶ余計なエネルギーも必要ありません。持続可能な社会の実現をキューバから学ぶことができました。
『懐かしい未来』~ラダックから学ぶこと~と『地域から始まる未来』~グローバル経済を超えて~では、インドのラダックとよばれる地域が急速なグローバリゼーションによって、それまでの伝統的な営みや独自の文化を捨て、そこに住む人々のつながりやアイデンティティが失われつつあるということを紹介していました。
これは世界全体で起こっている問題で、グローバリゼーションの進展によってそれぞれの民族固有の伝統や文化が失われ、ひいては人と人とのつながりや助け合いの精神をも失われていきます。ラダックは急激にこうした均一化の波にさらされたためにその因果関係がはっきりしています。日本はすでに経験していますが、それが長い時間をかけて浸透してきたものだけに因果関係を見出すのが難しいのです。文化にはどれが劣っていてどれが優れているなんて基準はありません。文化の多様性こそ地球を潤すのです。成長を目指すことで失われてきた古きよきものをもう一度見直す機会になりました。
私の七夕の願いは、「世界中の市民が平和を築きますように」です。平和は口で言うだけでなく、行動に起こしてこそ手に入るものだと思います。この願いに沿って、私も自分ができる平和の作り方を模索していきたいです。
『東京平和映画祭』:http://www.peacefilm.net/
来年も開催します。ぜひお越しください(^^)ノ
(きょん)