2015/10/19
さいたま市議会のサポセン条例改正に対し抗議文を提出
さいたま市議会9月定例会最終日前日の10月15日、突然、自民党議員らによって提出された「さいたま市民活動サポートセンター条例改正案」ですが、提出の根拠と言うのはどれも虚偽と誤解によるものばかりです。槍玉にあがった団体、あるいは登録団体が反論し事実を知らせる時間も用意されない中、審議が行なわれ16日の最終日に可決されてしまいました。
登録団体や利用者を始めとする市民に問うこともせずに、存在しない案件を捏造するかのように作られた「条例改正案」を議員の「数の力」だけで拙速に強行に可決するというやり方でした。到底、認めるわけにはいきません。
事実認識の共有を図るための時間設定もしないままの多数決にどんな意味があるのでしょうか、市議会の審議の進め方、議論水準や決定の権威が問われているのす。それは同時に、さいたま市民がこのような議会のあり方を容認するのかどうかが問われている、ということでもあります。
本日(10月19日)、市民活動サポートセンターに登録する市民団体8団体による抗議文をさいたま市議会に提出してきました。以下にその経過を報告します。
槍玉に上げられた市民活動団体による市議会議長に「抗議文」提出
10月19日の11時に市役所の1階に約30名弱集まりました。
まず、その場で初めての顔合わせした方たちが大半でしたので、この間の事情として、サポセンに15日に集まったところからの経過を説明し、抗議文の起案と取りまとめを引き受けたこと、16日の昼頃原案ができたこと、市議会の最終日の可決時間をにらみ、17時までに提出予定だったが、各団体との連絡が十分でなく意見集約が遅れ、提出が休日を挟んで月曜の19日になったことを報告しました。
次いで、サポセン条例の一部改正のため、市議会の中で、あたかも「不当な政治活動」をしていたかのごとく名指しされ取り上げられた私たち(登録団体)としては、(用意した「抗議文」と「質問書」の2通の内、殆どの団体が「抗議文」の方であらかじめ合意しているので「抗議文」の方を選択)抗議の意思を表明するため、これから市議会の議長に抗議文をもっていくため、さいたま市役所の議会棟3階の議会事務局に移動。
議会事務局のカウンターで私どもの来意を告げると、市議会議長は不在であるとの事、その代理として議会局長に対応してもらうことになり、そこで、今、訪れている市民たち全員入れる部屋を求めると、議会内の全員協議会室に案内され、事務局長以下6名で応接をうけました。
全員協議会室では、ここに至る経過を述べた上、抗議文を逐一読み上げ、議会局長に手渡わたしました。そして、集まった関係者から私たちの市民活動に対して一方的に「政治活動」と見なすことの不当性・危険性、名指しされた団体への意見を聴取しなかったこと、サポセンでは何ら問題は存在しなかったこと、あまりに短時間の拙速で議会で決めたこと、議会で事実認識の土台さえ持たず決める手法の危うさ、それらのことをたった一人の議員の妄想的主張をそのまま容認する議会のあり方の問題性と権威の空虚さなど、約10人がそれぞれ次々に抗議の意思のこもった発言しました。


議会局長から「抗議文と皆さんの声をしっかりと議長に伝えます」と約束をもらい、申し入れを終えました。
その後、全員で市役所5階の記者クラブ訪ね、あいにく殆どの記者が出払っていたため、資料配布を幹事社に依頼し、市役所の1階玄関前にて一同解散しました。この間約1時間強でした。
この頃、共産党市議団が会議をしているとの情報を得ましたので、有志3名で共産党市議団の控え室を訪ねました。丁度、会議を終えたタイミングで、この件の担当の浦和区選出の議員と団長との約30分くらいの懇談を持ちました。
私たちは、この件(サポセン条例の一部改正)の市議会での流れ、青羽議員が何を言ってきたのか、また、特に決算委員会で「付帯決議」採択の議決の際、退席した理由と立場性について伺いました。
退席した理由は、「通常この種の提案の際には事前の根回しがあり、会派内部での検討を経ているので賛否を責任持って表明できる訳なのだが、本件の場合、決算委員会で唐突に出され『その場で即決しろ』というやり方だっので、『付帯決議』内容には反対であったが、共産党市議団としてはそういうやり方を認められないので、その意思を示す意味で、あえて採決に加わらないことにした」という説明でした。
今後については、「指定管理者制度に原則反対だからといって何が何でも反対というわけではない。実際この間ケース・バイ・ケースで対応してきており、本件を決める8年前にも賛成しており、指定管理者問題だからといって突け込まれる余地はなく、みなさんと共に一緒に闘っていく」ということでした。
以下に提出した「抗議文」を掲載します。まずは、ここから始まりです。
さいたま市市民活動サポートセンター条例
一部改正に強く抗議します
さいたま市議会議長 桶本大輔 殿
2015年10月16日
私たちは、この条例を通すために不本意にも口実として槍玉にあげられた市民活動サポートセンターに登録する市民活動団体です。
2015年10月15日にさいたま市議会において、一部自民党議員から「さいたま市市民活動サポートセンター条例」の改正を求める議案が突如提出され、16日に可決されました。
それは「サポートセンターの管理基準その他の必要な事項を定めるまでの間、平成28年4月1日から指定管理者にはサポートセンターの運営はさせない」という内容です。
これに先立ち、10月9日の決算・行政評価特別委員会では、決算の承認に際して、『指定管理者の管理のもとで登録された団体の活動の一部に、政治的な目的に基づく主張を強く反映した施策の推進をはかり、支持し又は反対を企図したものが見受けられるから、施設管理の基準その他の必要な事項等の見直しを図り、関係条例等の見直しを含めた措置を早急に講ずることを強く求める』とした「附帯決議」を付けて採決しています。
それを受けて、一部の自民党議員は「14団体は政治活動を行っている。そうした団体はサポートセンターに登録や利用をさせるべきではない。登録や利用をさせているのは指定管理者がNPOだからである。だから新たな『政治活動を行っている団体がサポートセンターを利用できないような管理基準』をつくれ。それまでNPOに運営させるな」とばかりに、条例改正案を提出してきたのです。
そもそも「市民活動サポートセンター条例」は「特定非営利活動促進法」や「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」に基づいており、同条例の第2条2項では、条例提案議員が問題だとする「安保法」や「原発」などの個別の政策や施策に対する賛成・反対を訴えたり提言する活動は、市民活動から除かれていません。
条例提案議員は現状変更の根拠とするべき事実調査について、問題視している登録団体に対してヒアリング等をしてませんし、指定管理者であるさいたまNPOセンターに対しても問題・改善課題の指摘はおろか、ヒアリングさえも行なっていません。彼らが市議会に提出している条例を通すための説得用資料や主張の多くの部分が事実誤認、偏見、誹謗、虚偽を含んだものとなっており、このあまりに杜撰で性急な手法によって、正確な事実認識を欠いたまま、成熟した市民活動の場に砂が投げ込まれることになりました。
注) 一例を上げれば、原発県民投票準備会による県議会への請願行為を政治活動と認定し、その請願の住所にサポートセンターを利用したとしている事例。事実は、請願に同団体名を使用しておらず、直接請求の請求代表者の手続きをとった15名の連名で請願を行い、その内の一人が連絡先であり、事実誤認の上で主張が構成されています。つけ加えるならば、憲法第16条(請願権)「…平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」とあり、請願をしたために登録団体として問題視はできないはずです。
「14団体のような政策や施策に対する賛成・反対を訴えたり提言する活動をする団体にサポートセンターを利用させるべきではない」ということは、「サポートセンターを利用したいのなら、政策や施策に対する賛成・反対を訴えたり提言する活動をするな」ということであり、市民の自由な言論・表現活動に対して、不当に圧力をかけ規制しようということに他なりません。
そして、一部の自民党議員が気に食わない団体を公共施設から排除しようとし、かつ指定管理者たるNPOがそれらの団体を排除しないのは問題であるとする、さいたま市議会による「サポートセンター条例改正」は、まったく不当であり、ここに強く抗議します。
原発埼玉県民投票準備会
九条の会・さいたま
さいたま地区平和運動センター
平和・民主・革新の日本をめざす埼玉の会
婦人民主クラブ埼玉支部
「原発」国民投票埼玉県賛同人会
民主主義を求め続けるプロジェクト
日朝友好連帯埼玉県民会議